プレスリリースPRESS RELEASE

〜第64回日本栄養改善学会研究発表〜
高校女子アスリートに対する
口腔内環境の現状と介入による改善効果の検討

2017.10.11

株式会社湖池屋(本社:東京都板橋区/社長:佐藤章)は、9月13(水)〜15日(金)徳島にて開催された日本栄養改善学会にて、立命館大学及び日本大学歯学部との共同研究として、女子アスリートの食事と口腔の関係を検討すると共に、LS1含有錠菓服用による口腔内への影響について示説発表をしました。

【目的】
アスリートはエネルギー量を確保するために食事からの糖質の摂取量が多く、う蝕や歯周病のリスクを増大させる。う蝕と歯周病はいずれも細菌感染症であり、その原因菌を抑制するプロバイオティクスとしてLactobacillus salivarius TI2711株(LS1と略す)が単離されているが、女子アスリートを対象とした研究はみられない。そこで本研究では女子アスリートの食事と口腔の関係を検討すると共に、LS1含有錠菓服用による口腔内への影響について検討した。

【方法】
対象者は、本人及び親権者の同意が得られた滋賀県内の私立高校女子ハンドボール部員19名(運動部群)と運動部に所属していない女子生徒10名(非運動部群)とし、内歯列矯正中2名を除外した。運動部群にはLS1含有錠菓を1日3回、1回1錠、12週間連日服用させた。服用開始前と服用12週後に食事調査、口腔内診査を実施した。口腔内診査はplaque control record (PCR)、probing depth (PD)、bleeding on probing (BOP)を測定した。非運動部群は食事調査のみ実施した。

【結果】
食事調査の結果、運動部群は非運動部群と比較して穀類の摂取が有意な高値を示し(p<0.05)、ショ糖の摂取も高い傾向が見られた。12週間の服用前後の臨床所見を比較すると、平均値はPCRが64.0±12.8%から25.2±14.4%、平均PDが2.4±0.2mmから2.2±0.1mm、BOPが17.8±11.1%から2.5±3.4%へといずれも有意に減少した(p<0.01)。

【考察】
今回の調査結果からアスリートは運動をしていない群と比較して、う蝕や歯周病のリスクとなる糖質の摂取が多いことが明らかとなった。運動部群はエネルギー源として糖質の必要量は増加するが、同時に口腔ケアの必要性も生じることになる。本研究では口腔ケアにプロバイオティクスを使用することにより、口腔状態が改善されたことから、アスリートの口腔ケアにプロバイオティクスは有用であることが示唆された。

発表者名 : 首藤 由佳1,2、松岡 隆史3、好士 理恵子4,5、海老 久美子1
1. 立命館大学大学院 スポーツ健康科学研究科 2. 立命館守山中学校・高等学校
3. 株式会社 湖池屋 4. 日本大学歯学部保存学教室歯周病学講座
5. 日本大学歯学部付属歯科病院スポーツ歯科

【報道関係者からのお問い合わせ先】
株式会社湖池屋 広報課:落合/小幡
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